4月例会は18日(金)第3金曜日、中央公会堂 第1会議室で開催予定です。
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「致知」2019年8月号読後感想 後世に伝えたいこと 大阪木鶏クラブ7月例会報告

大阪木鶏クラブ2019年7月 2019年(令和元年)木鶏クラブ例会報告
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2019年「致知」8月号の特集は「後世に伝えたいこと」でした。
寺尾会長の挨拶から始まり、松岡先生の「大学」講義に移りました。「大学」三綱領の肉付けとしての引用部分の解説をしていただきました。(古典講義「大学」Ⅻ)。

本誌木鶏通信用
『大阪木鶏クラブ7月例会は19日(金)、中之島中央公会堂にて開催されました。会長挨拶の後、松岡先生の「大学」の講義に。今回は、酒池肉林・象箸ぞうちょ玉杯の出典の解説をしていただきました。「致知」8月号読後感では、知覧へ行ったことのある会員から、「知覧からのメッセージ」を涙で読むことができなかったと発表がありました。また、結果を残された方々が、大言壮語せず、身近なところでの小さな実践の大切さを語られていることに、賞賛の声があがりました。「致知と私」に紹介されていた杉本会員には、現在の心境と年上の方々を年下の自分がリーダーとしてまとめることの難しさについて、「自反尽己」を支えに日々邁進されていることを発表していただきました。』

致知2019年8月号表紙
2019年8月号表紙
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特集・後世に伝えたいこと「人生を幸せに生きる知恵」鈴木秀子・鮫島純子対談

個人的に鈴木秀子先生の論説から毎月、考えるヒントや思考チェックの基準を得ているのですが、今号では、渋沢栄一の孫である鮫島純子女史との対談がありました。
お二人の矍鑠としたお姿と、乱れぬ論理に感心しながら読み進めました。

このお二人の対談から感じたことは、森信三先生も述べておられる「最善観」という視点の神々しさでした。
例えば何かことが起こると善悪や好悪などのレッテルを貼って、「これはいいこと」「これは悪いこと」と分類し、なんとか「いいこと」のみに囲まれようとすることが通常の感覚ではないでしょうか?
目標を決めて「努力」し結果を出すことに力をふりしぼる、といった感じです。
最近考えることは、この「最善観」には、小さなエゴが判断する「良いこと」を期待することではなく、ただ起こりゆく、起こり来る瞬間瞬間のことどもすべてを、ただ「経験」することだろうと考え始めました。
つまり、目標を決めて努力をすることももちろん良し。しかし、「結果」を「期待」せず、という心境です。

それをp13の3段目で鈴木先生が語られています。

苦しみを人や環境のせいにするのではなく、今自分がこの場で何をすればよいかを冷静に考える心の習慣を身につけることはとても大切なことだと思うんです。

2019年致知8月号p13

また、あの時ああすれば良かったんじゃないか、といった後悔にたいしても「ご縁のあるところで登っていけばいいのよ」との言葉に心が楽になったと鮫島先生。

この、あなたの今いる場所で、というところがなかなか深いな、と感じました。そして、97歳のお言葉、「この世はすべてが愛の練習場だったんだな」との思いをよく噛み締めていきたいと考えました。

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インタビュー金指潔氏「意志あるところ道はひらく」

東急不動産ホールディングス会長の金指氏のインタビュー記事からは、組織での個人の成長を垣間見ることができました。

いかんせん規模が大きいことに圧倒され、なかなかイメージが湧きにくい。プレハブ住宅事業で100億円以上の赤字を出した、とありました。ここで「すごいな、、」となってしまいます。

そのあと21年間グループ会社で過ごされるのですが、ここで腐らずに必死に努力されたことを語られます。事務屋の自分の役割は何かと、現場の職人さんの動きやすい体制を作られた。
そこで身につけられた言葉からも学ぶことがありました。

後工程はお客様
自分の受け持った仕事をきっちりやりとげ、なおかつ次の工程の人がやりやすいようにつなげることの大切さ。最終誰の手に渡るのか?もちろん「お客さま」ですよね。

怪我と弁当はてめえ持ち
すべて自己責任で人のせいにしないこと。

人生山あり谷ありと言われますが、まさにそれと同じで、大事なのは谷から山に帰ってくることができるか否か。これには不思議なことに、運や巡り合わせが必要になってきます

2019年致知8月号「後世に伝えたいこと」p27

山に登るのはまあまあ行けるでしょう。山に登ればあとは降りるだけ。もしそこから、転がり落ちたときに再び登れるか?
そのためには、目の前の現実、足元をきちんと見つめることが大事。
実践者、経験者は大言壮語しないことがホントに良くわかりました。

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小堀桂一郎「万葉集」に学ぶ日本の心

「正仮名正漢字」を使用しておられた小堀先生の文章が、戦後の日本語仕様になっていましたので少し違和感を感じました。
もちろんインタビュー記事だから(?)、いま使用されている形のほうが伝わりやすいから、などの理由だろうと推察しました。

万葉集の和歌として引用されても、いつの時代に、どの出来事に対しての心の動きなのかが、はっきりわからないと『楽しめない』ことを痛感しました。今回の記事では、小堀先生の微に入り細を穿つ解説で、それぞれの情景がありありと浮かびました。
古代日本人のユーモアと美的感覚が、現代日本に蘇ることも期待したいですね。

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「人生はいつもここから」コシノジュンコ・河原成美対談

このお二人の「行動の速さ」が伝わりましたね。
時差を心配されたコシノさんの答え、
「時差なんか平気よ。今いるところが私の場所なんだから、時差なんか私に関係ないもの」。
いやはやこのエネルギーがどこから出てくるのか?自分のしていることが好きなら、疲れが出ないのでしょうね。

アサヒビール社長を務められた樋口廣太郎氏の思い出話しも印象的でしたね。
「即決」して、明日に持ち越さない。なぜなら、「明日にはまた今日よりも重大なことが起こる」から。時間が経つと、「取り組む気持ちが弱くなる」。

またあるときは、プラシド・ドミンゴ氏と食事をしていた時に、「子供を連れてきなさい」と樋口社長に言われ連れてこさせると、世界の一流の人士と握手をさせたことを印象的な出来事と語られていました。

この「一流」のものや人と、幼いころから接することを重要視されていることにも感嘆しました。なかなか一般家庭では難しいけれども、文化関係のイベントなどにアンテナを張り巡らすことから始めてみてはどうでしょう?

平凡で何もないことこそ本当の贅沢

このお二人が最後におっしゃっているのは、「人生に終わりはない・未完成の中に完成を求める」ということ。

老若男女にかかわらず心に響くのではないでしょうか。遊びの中にどれだけ仕事を見つけられるか。「遊びの精神」の大切さを強調されているのも新鮮でした。

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心の扉をひらく 寮美千子

少年刑務所での物語教室で出会った受刑者たちとの交流。「加害者」として収容されている彼らが、「被害者」として育った現実がそこにはありました。

虐待などの結果、心を閉ざした彼らに感情を取り戻させ、情緒を育ませる難題に取り組んでこられた寮女史も無理だ、と初めは思われたとあり、それはそうだろうな、と感じましたね。
もし自分がその立場なら、一体どのようなアプローチで近づくかで悩んでしまいます。

最初の授業で褒められた子どもたちが嬉しそうな表情をする。お互いに良かったと褒め合う。その中で心が徐々に開いていく、、。
ただ褒め合う、人から認められる、それだけでみるみる変化が現れた。

彼らには、そのような受け止め方をされる人生を過ごすことすらできなかった。その事実を知らない我々は、もちろん彼らが犯した罪を憎み、被害者の救済を願わなければなりません。と同時に加害者の彼らに、本当に反省してもらえるような更生を与えなければと考えました。

父親から虐待を受けていた少年。幼いころに体が弱い母親が、父親から殴られていた。幼かった自分はお母さんを守れなかった。そのお母さんが亡くなる前に、「辛くなったら空を見てね。お母さんはきっとそこにいるからね」と伝えてくれた。その言葉を詩にした少年に、まわりの受刑者たちがかけてくれた優しい言葉。

人間の心、本質はこの他者を慮る思いやりなんだな、と感じました。

すべての人には慈悲や愛の心がある。
ダライ・ラマ

致知2019年8月号p109 生命科学研究者からのメッセージ

この活動は素晴らしいですが、すべての矯正施設で可能かというと、それは難しいこともわかりました。やはり、文化が違う他施設ではなかなか理解が及ばないということです。最後のまとめも他者に対する思いやりにあふれていました。

自分の意志でどうにかなると思っているうちは(依存症は)治らないんですよ。まず自分の弱さ、ダメさを受け入れて、だから今日一日を頑張る。そのために人の力も素直に借りて、感謝しながら努力することで道は開けていくのだと思うんです。

致知2019年8月号P44心の扉を開く

今回の(2019年7月21日)参議院議員選挙にて見事議員になられました、舩後靖彦氏の半生。

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知覧からのメッセージ 特攻隊の若者たちが遺したもの

「特攻」という「作戦」を立案した責任者の罪は重い。特攻隊員の死から我々が感じ取らなければならないのは、以下のことでしょう。

ご先祖様、親兄弟、愛する人への感謝の念を持って、その日、その時を一所懸命に生きる。

致知2019年8月号p38
神風特攻隊――現代の若者たちはどうみているのか – BBCニュース
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「後世に伝えたいこと」致知2019年8月号 まとめ

今号も読み応えのある記事ばかりでした。大阪木鶏クラブとしては、p78「致知と私」に質問が集中しましたね!
S会員から致知と出会った感激と、日々の実践について発表してもらいました。

8月ということで過去の戦争についての考察もありました。日本の象徴としての「深山桜」への思い。童謡・唱歌から日本語の美しさについて再確認しました。そして、そこで歌われている「大人に守られている子供時代」の存在の必要性がわかりました。

さまざまな感想が湧き出します。会員それぞれが同じ感想になることはまあありませんので、他の意見を聞くことが非常にためになりますね。
お時間があえば、どうぞ参加してみてください。

people get ready 懐かしい!ロッド・スチュワートとJeff Beck ver.

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この記事を書いた人

管理人惜斎F
大阪木鶏クラブ会員・ブログ作成者です。過去の通信なども少しづつまとめていきたいですね。

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