
致知10月号の特集は「情熱にまさる能力なし」でした。
巻頭言の中の「無用の用、すなわち役に立たないと思われるものが実際は大きな役割を果たすのである」、「天から与えられた自分のあり方を自覚しないと、世の中は通らない」。中江藤樹記念館に訪れた報告をしていただいた I氏 から、この部分が腹にスッと入ってきたと、共時性を感じたことを発表されました。
それでは、「致知」10月号読後感と大阪木鶏9月例会報告に移りましょう。

「大坂木鶏クラブ9月例会は20日(金)中之島中央公会堂にて開催されました。会長挨拶のあと松岡先生の「大学」講義へ。「信」の一字の質問に五行や周易を引用しつつ解説していただきました。
致知10月号読後感では、佐渡氏と鈴木氏の対談に発表が集中。本人の努力もさることながら、その能力を見極め、励まし、育てる指導者の存在の尊さ。現代日本人に欠けている、「能」に対する深い理解力も超一流の人物の証左だと驚きの声。失敗したこと、後悔にもありがたいと感謝できる人間性。才能や運、努力は足し算だが、感謝力は「掛け算」であることを見逃さず実践されてきたことにも感激の声が上がりました。」

今回の古典「大学」の講義内容は前回予習範囲にあります。また、五行・周易の説明は難しくうまくまとまりませんでした。またチャレンジします!
致知10月号「情熱にまさる能力なし」機縁の大切さ
T氏は最近出会った、社会的地位のある方との会話を共有してくださった。その出会った方に、今までの経験から何が大切なのでしょう?と問うと、
「ここまでこれたのは、人との出会いです」
と、迷わずに答えられた。
その一言から、機縁というもの、転機ということの重要性に今一度気づくことができた。
自分も「まだまだ成長したい」という感情に押されて、良き「縁」を結ばんと「行動」することにしていることを発表されました。
もちろん持って生まれたものもあるけれど、待っていても始まらないので自分から動いて、様々な「機会」を作ろうとしている。
そこで最近読んだ本を紹介してもらいました。
3つの恩を忘れずに社会貢献。「人生を照らす言葉」
K氏からは、比叡山での一燈照隅活動の報告と、今このような「思い」にたどり着けたことの感謝、そして「3つの恩」について語られました。
1つ・親の恩、2つ・社会の恩、3つ・師の恩
と3つの恩の大切さを語られ、「縁」の重要性とその縁を大切に育んで行くことが、「出会い」に成長するのではないかと説明されました。
良い人との出会い、そこから影響されて自分の人生に取り入れてきたか、が大切なんだと語られました。
そして、誰かのために働くために、古典を学び続けていきたいと発表されました。
何気ない日常こそが奇跡 p108-
K氏の発表を聞きながら、この鈴木秀子先生の「人生を照らす言葉」を考えていました。安穏な生活はいつ何時壊れることがあるやもしれません。日々の生活は決して当たり前ではないのだという、日常こそ奇跡的なことの積み重ねだよ、との言葉が自分の中に入ってきました。
なにか困難に出会っても、小鳥よりも優れた人間に、乗り越えられないものはないと、気持ちを強く奮い立たせるのです、からは、
現在学んでいる「大学」の一節、
「 緡蛮たる黄鳥 、丘隅に止まる 」
がスラリとでてきました。
人生は感謝すること、賛美することにあふれている
K氏は3つの恩を語られながら、縁の大切さを語られました。そこには深い感謝の念が横たわっています。
「眼の前にある小さなことを一つに心を尽くしてきた人は、大きな出来事に直面したとしても、それをきちんと受け止めて乗り越えられることを知っています」p110
日々の実践から同じことを発表されたことに深く感銘を受けました。
致知随想 丹下梅子先生の生涯 pp90-91
時代を考えてみれば、女性が学問の道に進むことが簡単でないことは明らかですね。そんな時代に、日米両国で博士を取得した女性がいた。
本人の実力もあり、周囲の理解と応援があったことが、この一文からわかりました。
道無き道を歩まれたその心の強さに感服しました。
「女性だから」「家庭があるから」という考えに縛られ過ぎず、内面から湧き上がる自分自身の思いをし信じてほしいと現理事長は学生たちに語られています。
学位を取得されたのが53歳とのことなので、老若男女「志」があれば達成できることの証明になるのではないでしょうか。
「閑古鳥 呼べば答える ものながら」
の詩には物悲しさを感じました。
30年越しに叶えたプロ棋士という夢 pp38-42 今泉健司
棋士と聞いて浮かぶ言葉は「天才」の二文字です。
詰将棋も瞬時に判断するだけの能力をすべての棋士の方々が持っておられる。その中で、41歳になってプロ棋士になられたのがこの今泉氏です。
本人は自分のことを「人間的に甘かった」と具体例を上げながら語られるのですが、そこに心の強さを感じたのは、おそらく私だけではないと思います。
自分ひとりの勝利ではない!周囲への感謝
p41の最終にありますように、それまでは自分ひとりで戦っていると思いこんでいたけれど、実際は仕事の段取りを組んでくれた職場の方々や、両親、将棋仲間など周囲の人々に支えられている事に気づいた。この無数の恩に報いようとの気持ちの変化を語られています。
今号のテーマにぴったりですし、「恩」というキーワードも含んでいたのでワクワクしながら読み進められました。
言葉の持つ力の凄さも語られていました。気に入った言葉を記しておきましょう!
自分の甘えを律する力、弱さを受け止める力、周囲に感謝する力など、心が鍛えられていなかったから、強くなれなかったのだと思うのです。
致知10月号p42 1段目
自分で勝手に限界をつくると、どんなに才能があっても途中で止まってしまいます。だから、言葉やイメージの力は本当に恐ろしいなと思います。
致知10月号 p42 3段 1行
自分の機嫌は自分で取るというのも大切ですね。
致知10月号 p42 3段目 6行
好きな言葉に
致知10月号 p42 3段目 後ろから12行
「喜べば 喜びごとが 喜んで 喜び集めて 喜びに来る」
があります。
人生に無駄なことは一つもない。
致知10月号 p42 4段目
禅語に学ぶ p116 横田南嶺
怨親平等という言葉は初めて知りました。
横田先生は華厳の教えから来ていると考えられている。「太陽の光のもと、一切のものはお互いに関わり合って存在している」。
文永弘安両役の戦没者はあちらの世界では敵味方の区別もない。
ならばこちらの世界でも争い続けることなく華厳世界を実現できれば素晴らしいなと感じます。
単純ではないでしょうが、他国を軽蔑することが「愛国」ではないはずです。
北方領土返還への道 p130
ここではウクライナ人のグレンコ・アンドリー氏の、経験と研究からロシアの本質が語られていました。
曰く、プーチン大統領は典型的な大国の強権的指導者であり、強いものを尊敬し、弱いものを見下す徹底した力の信奉者です、とあります。
この国際政治の本質理解は大事な視点だと考えます。他国のことを考えて政治を行う国などないということですね。
一方のどこかの総理は「ウラジミール、ウラジミール、、。」と。
どうせならこっちをアップして下さい🤣
— ラムレーズン@肉球新党水平派 (@mi_amare_musica) September 6, 2019
「ウラジミール、君と僕は同じ未来を見ている。ゴールまでウラジミール、二人の力で駆けて、駆けて駆け抜けようではありませんか」
pic.twitter.com/YifYmDxnM4
今の政治は、強いものに媚びへつらい、弱者は無視している感があります。これではいざというときに「国民」は守られないのではないか?そんな思いが湧き出てきてしまいます、、。
時宗は禅で肚を練った。
頼山陽の「日本楽府」にはひたひたと迫りくる蒙古の描写が見事な漢文で記されています。
そのあとの「怨親平等」の精神。
いまの日本人が学ばなければならないことですね。
情熱にまさる能力なし 対談 佐渡裕 鈴木茂晴
今号で一番発表が多かったところです。
「音楽」の世界。
皆さんはどのようなイメージをもっていますか?
私は、お金持ちの支援者がいなければ、勉強が続けられず、才能の塊の中では運が重要な役割を持っている、ぐらいの非常に歪んだ(笑)イメージを持っていました。
もちろん金もかかるであろうし、運も能力も必要なのはもちろんですが、泥臭い努力と、人と人との結びつき、そして不思議な力が絡み合って、世界が広がっていく。
そんな面白さが浮かび上がってきました。
二人の恩師。小澤征爾氏とバーンスタイン氏。
タングルウッド音楽祭の試験に合格させてくれた小澤征爾氏。その後の、
「今やっていることは全部やめて、勉強したほうがいいよ」
とのアドバイスに従って、腹をくくって努力を重ねられた。
周りの人間に、「僕が見つけた才能だ。だから佐渡くんに指揮をやらせなさい」とまで言ってくれた。
また、二人の方から月10万円づつ二年間支援してもらえたことも忘れずに感謝されていました。
この僥倖!単に運がいい、では済まない流れがありますね。ご両親の教育方針。そして、何よりも本人の幼い頃からの興味が続いていることと、才能が噛み合ったのでしょう。
そこには「情熱」が燃え続けていることも忘れてはなりません。
バーンスタイン氏の言葉「君は才能があるから」
その留学中に困ったことはやはり語学で、さっぱりわからなく自信を失っていた。その時期に、日本文化の「能」をわざわざ説明し、集中力と緊張感とエネルギーの表現を使って解説されたところは、本当に驚きました。
外国人であってもやはり超一流の方は、わかっておられるのだなあ、と会員からも称賛の声が上がりました。
この一件で日本人であることの強みをクラシックという、西洋音楽の中でも活かせることに気づかせてもらい、自信を取り戻せたと語っておられました。
ここのやり取りは本当に素晴らしい師匠のアドバイスだなと感じました、そして、日本人としての誇りに目覚めたとあり、これこそが本当の愛国心であろうと感じました。
バーンスタインからの宿題
一流の舞台で活躍することも当然大切なことだけれども、演奏会に行ったことがない人々に、オーケストラやクラシック音楽の面白さを伝えることも大切な使命として、活動の一つとして取り組んでおられます。
こういった次世代や未経験の方々に音楽を届けるという活動は素晴らしいことですね。
バーンスタインからの宿題として受け止められて、その活動が今まで自分を育ててくれた先輩たちへの恩返しとされているその心持にも感嘆の声が上がりました。
奇跡を起す方程式に掛け算が一つある、それは「感謝力」!
才能も当然必要、努力など当然、そして運にも味方されないと成功には程遠い。しかしそれらは、足し算である。
そこに一つ「掛け算」の要素がある。それは何か?
それは「感謝力」である。
この言葉を大好きな表現として挙げられていました。
「感謝力」をあげられるところまで、経験を積んでこられているのがわかりました。
常に成功ばかりではないわけですよね。たとえ失敗しても、自分が夢にまで見た「指揮者」として活動している現実にまずは「感謝」し、活動を重ねてこられた。
失敗をした時にこそ「ありがたい」と感謝できるひとが奇跡を起こせるのです、との言葉には実体験からの表現であることが伝わってきました。
致知10月号「情熱にまさる能力なし」 まとめ
今号も自分だけで読んだ感想よりも、他の会員の意見を聞くことで様々な視点が加わり有益な時間となりました。
寺尾会長の発表では、他の会合で嫌なことがあり、怒鳴っても許されるぐらいの怒りを感じたけれど、そこで怒ってしまえばその場の雰囲気を壊すことにもなるし、自分の運気を下げてしまうだろうと我慢することを選択した。
すると、その暴言を吐いた人はすぐに帰って、元の雰囲気に戻った。他の仲間は「よう怒らんかったな」と心配してくれた。
その翌日に非常によい仕事が入ってきて、忙しく充実した時間を過ごせることになった。
「やっぱり怒らんで正解やった。怒っていたらやはり気分もイラつくし、こんないい仕事もこないやろうしな」とニッコリと語られました。
今号での「情熱」をもち「努力」をすることの大切さと、感謝すること・できることの懐の大きさ、物事を見る力の深さに繋がる話だな、と今後の自分の生活に役立てようと考えた会でした。
Pentatonix – Hallelujah 様々なカバーがありますが、、
個人的に一番好きなバージョンです。ハーモニーが美しく、歌詞も考えさせられますね。
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