いよいよ始まりました。
松岡照子先生による「大学」の講義です。と言っても、いきなり書を読んで語の解説などには移らず、まずは「大学」とは何か、「致知格物」の意味するところは、などから説明されました。
また半生を語られながら、其時々に出会った方々、学んだこと、そしていま現在も学び続けていることを話されました。
一同、学問に終わりなきことを確信しながら耳を傾けました。
木鶏クラブの歴史

まずは「致知」創刊号の表紙を見ながら、初期の頃の木鶏クラブ並びに竹井出版時代の竹井顧問のお話をされました。
当時の木鶏クラブ通信第一号から引用しながら、「人間学」とはなにか。「知の学問では意味がない」ことを述べられました。
致知は人間学の雑誌です。木鶏クラブも人間学の探求が目的です。あらゆる学問、政治学、経済学、法学、文学はすべて究極は人間学に帰します。あるいは哲学、宗教、芸術といってもいいかもしれません。ところで、本当の学問、勉強というのは体験以外にありません。本を読むとか、人に聞くとかいろいろな方法がありますが、行き着くところは体験です。
「知識」はもちろんあるに越したことはないけれど、「知」ではだめである。「智」ならまあまあ、最終的には「慧」にならなければならない、と説明されました。そこに至るには、空理空論ではなく「体験」「実践」から学ぶ必要がある。
大阪木鶏クラブ 純一無雑 真鍋先生の思い出

そして次に、真鍋槇夫先生について語られました。
当時の資料の表紙を見せていただきながら、真剣な学びの場であったここ「大阪木鶏クラブ」に対する「思い」を語られました。
どうでしょうか?この充実度は!
毎月一度集まって、古典を学んでおられた姿が目に浮かびます。その会が今現在もこうして、残っていることに深い感謝が湧いてきました。
- 愛するものを持とう。
- 学ぶことに努めよう。
- 創造的人生を生きよう。
大阪木鶏クラブの信条は、今も会の始めに唱和しています!
大学に入る前にまずは小学の説明から。

いよいよ内容に入るのですが、もちろんいきなり「大学」とはいきません。そう!「小学」を学ばないと「大学」はわからないのですね、、。
小学を学ぼう
朱子(朱晦庵)が先儒や偉大な先覚者たちを渉猟して、範となるものをまとめたものです。実際には弟子(友人)の劉子澄の編纂によるものとされています。
この灑掃ということの重要性を述べられました。拭き掃除のことです。
「立つこと」によって生じる病気は多々あるから、たまに四つん這いになるとよい。
安岡正篤 「人物を創る」p150
「小学」は人間生活の基本的な法則について述べています。
続いて「応対」「進退」について語られ、この「応対」の難しさを述べられました。これには一同首肯しつつ、過去の失敗など思い返すことが各自あった様子でした。
次に、三不祥を説明されました。ここでのポイントは「敬」です。人のみこの「敬」という感情を持つことができるわけですから、より尊いものを求めることが必要。
「光」が必要であること。「信」じることが大切であること。「火」が必要であること。を繰り返し述べられました。
四書五経 五常・五行について
経とは縦糸のこと
経は「お経」にもある通り「きょう」と呼びますが、「ケイ」と読んで縦糸を意味すると説明されました。「緯」が横糸のことです。
五経の経は「ケイ」とも意味し、「人の道」を表しているとのことです。
五経とは、
「易経」「書経」「詩経」「礼記」「春秋」
のことです。
四書とは、
「論語」「孟子」「中庸」「大学」
のことです。
もともと「大学」は「礼記」の中に入っていましたが、程兄弟が尊重して、朱子が四書の一つにしたということです。
五常・五行

五常とは、
仁・礼・信・義・智
五行とは、
木・火・土・金・水
を表す循環思想です。簡単に言っていますが、これを理解するだけでも数年は必要でしょうね、、。先生は、「信」「土」の重要性を説かれました。
Wuxing 2 – 五行思想 – Wikipedia
「土」は季節の変わり目を意味する。春夏秋冬の移り目には常に「土」がある。気が変わるときに「土」がある。
その説明を聞いて、寺尾代表から「棟上げにも土やなあ」と発言があり、その発言を受けて、また説明が続きました。「土」が「信」でなくてはだめである。本質を「極める」ということが非常に大切である。
非常に印象に残った場面でした。
ひとまずのまとめ
ここまでで18時30分から始まった講義が、およそ1時間40分ほど続き20時10分になっていました。そこから「致知」読後感の発表が有り、記念撮影、二次会にと移りました。

あっという間の会合となりましたが、録音機器の不具合で録音されていなかったのが悔やまれます。次回からはしっかりと記録していきますのでよろしくお願いします。
「大学」の教材は、大阪木鶏クラブでもあと10冊ほどは残っております(税込1700円です)。参加しようか迷っておられる方は、書籍を見てから決定しても遅くはありませんので、ぜひどうぞ。
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