10月例会は18日(金)第3金曜日、中央公会堂 第4会議室で開催予定です。
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「大学」古典講義 Ⅸ 三綱領・八条目

オーロラが降り注ぐ神秘的な海岸 2019年(平成31年)木鶏例会
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古典講義第9回目を迎えました。
いよいよ格物致知ですね。
今回のところは三綱領と八条目の分類を説明されながらの講義でした。
第四回講義を参照のこと。

三綱領と八条目

三綱領 八条目
明徳学問(智)格物・致知
親民治人(仁)斉家・治国・平天下
止至善徳行(勇)誠意・正心・修身

以上を確認しながら進みましょう。
「玄の玄」など老子の思想も踏まえないとわかりにくいので、ホントに軽く説明引用していきます。

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明徳(オモテ)と玄徳(ウラ)

明徳とは自分自身の知性・特性を明らかにしていくこと。オモテ・正面。ならばウラは?玄徳となる。

玄徳の「玄」とは老子の「玄のまた玄、衆妙の門」に由来します。
道(tao-ism)は老子哲学の根本思想。宇宙を構成する根元的な実在であり、理法である。

「玄」とは神秘的で奥深く、仄暗いという意味。

「両者同出、異名同胃、玄之又玄、衆眇之門」に拠れば、「言い方は異なるがすべては「 道」 から出るという同じ意味を持ち、道は玄のうえにも玄であって、そこからあらゆるものが生まれるのだ」という意味となって、「道」の包括性を強調した文意となる。底本などに従えば、すべては「道」から生まれる「玄」なるものであるが、その「玄」にもさらに奥行きがあるという、「道」と「万物」の間にある無限の重層性を強調した文意となる。

引用:老子(岩波文庫)

奥の奥深くからあらゆる微妙なものが生まれてくる。

古代中国の書『老子(老子道徳経)』は,熾烈な戦国時代を生き抜く処世の知恵であり一種の統治理論であるが,同時に,世の中と人間についての深い洞察力によって,人類の教科書ともいうべき普遍性を持っている
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八条目の説明

古の明徳を明らかにせんと欲する者はまずその国を治む。その国を治めんと欲する者はその家をととのう。

古き良き時代に、世界を平安にしようとした人は、それに先立ちその国をよく治めた。一国のリーダーとならんとするには、家を和合しなければならない。古代チャイナでは多妻なので、女性をまとめ、子どもたちをまとめなければならなかった。

その家を斉えんと欲するものは先ずその身をおさむ。その身を脩めんと欲するものは先ずその心を正す。
身を脩む=原理原則を知りなさい。=正しい心
「心」は目に見えない。いったいどこにあるか?
その人の発する言葉、そして行動をみて判断できる
「正す」とは上の第4回講義にある、至善にとどまる、と同じ。「いち(絶対)」に「とどまる」と理解する。
その心を正さんと欲するものは先ずその意を誠にす。その意を誠にせんと欲する者は先ずその知をいたす。知をいたすは物をただすにあり。
「誠」=信(絶対的なもの)

「知」とはなにか?知識は道具でしかない。

ここで説が72あると言われている。しかし「大学」の場合は、朱熹と王陽明の2説を確認するとよい。
朱熹王陽明(古本大学)
民をためる民にしむ
いた(至)るただ
窮理・客観的良知・主観的
知先行後知行合一

陽明・人間はもともと良いものを持っている。考えるのも大事だけど実行しよう。

朱熹・窮理尽性(理を窮め性を尽くし、以て命に至る)易経説卦伝。
「格物」を窮理の意味に取る。まずはしっかりと理を極めること!

「知を致すは物を格すにあり」致す=極める
知能すなわち道徳的判断を明晰にするには事物について確かめることだ」。

2説の違いは>>第2回講義で確認。

古典講義「大学」Ⅱ 明徳とは?己事究明のこと。
「大学」の講義の記録です。三綱領の1、明徳を明らかにする、という言葉の解説でした。解説中の例え話や、引用部分が非常に興味深く勉強になります。
天下国家の政治もその根本は一身の修養にあることを説く『大学』。人間の本性とは何かを論じ、「誠」の哲学を説く『中庸』。
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まとめ 

今回、朱熹は「窮理尽性」がポイントであるということを再確認しました。

己を知る、の「己」とは、がまた難題ですね。

以前の姫路講演会での藤尾社長の言葉の中にも「格物致知」を語られたところがあります。私の備忘録より引用しておきます。

「格物致知」とは「大学」の言葉で、先達の訳が多々ありますが、社長の説として人格の「格」が物事にぶち当たり、苦悶しながら前進することこそが、英知つまり「致知」に至るのだ、とありました。

現実の物事にぶち当たって、位負けしないことが格物致知に他ならない。ただただ学び続けるのだ。現状維持とは退歩している証拠。森信三先生の言葉を引用しながらの大変気のこもった講演でした。

人生とはなんぞや?

人生とは未見の自己に出会うことに他ならない。

最後に森信三先生からのアドバイスも3点教えていただきました。

一つ、逆境の意味を問え。
二つ、逆境は途中では一生続くと思うが長くて3年だ、ジタバタするな。
三つ、「致知」読者が10万人になれば日本は変わる。

後の祝賀会は大いに、飲み、食し、笑い楽しく過ごしました。呵々。

参照はこちら>>2007年(H19年)4月姫路での講演会

2007年(平成19年)分 向野幾世先生 「ごめんなさいねおかあさん」の詩
続いてました懐かしの木鶏通信シリーズも、整理し保存していたものがなくなったため今回で終了です。懐かしく感じてもらえれば幸いです。この年は、姫路で記念講演会がありました。皆で参加したことを思い出しています。
著者朗読の付属CDで素読実践の助けに!

第10回はこちら>>

「大学」古典講義 Ⅹ 阿頼耶識・平澤興先生「味のある人生」
月刊誌「致知」愛読者の会では古典講義として「大学」を勉強しています。今回で10回目を迎えました。字句の意味の解釈ではなく、古典を日常生活に如何に活かしていくかを含めて、考察していきます。

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この記事を書いた人

管理人惜斎F
大阪木鶏クラブ会員・ブログ作成者です。過去の通信なども少しづつまとめていきたいですね。

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