2020年、令和2年となりました。
本年も「致知」を通して学んだこと、気づけたことを互いに発表し、研鑽しあい、そして、古典を学んで実人生への道標として活用していきたいですね。
ここ二年ほど、仮の書記として本誌に報告をあげてきましたが、昨年12月から新たにM氏が書記として活躍していただけることとなりました!
よろしくお願いいたします!
令和二年初例会 大阪木鶏クラブ 2020年1月例会報告
大阪木鶏クラブ通信(令和二年一月度)
(記・松本 光雄)
令和二年一月度例会は十七日(金)、中之島中央公会堂にて開催。寺尾代表世話人の年始挨拶後、松岡照子先生による「大学」の古典講義では、干支の解説をしていただきました。
二月号の特集は「心に残る言葉」であり、会員から小村寿太郎の根本信念を示した誠の一文字に尽くされる言葉が衝撃であった事と自身が小村寿太郎と同じ出身学校であり、銅像が校庭にあった事を思い出し感慨深いものがあると報告がありました。
他の会員からは、今年も一年間「致知」を読んで心に残る言葉を皆さんと分かち合いたいという意見と紹介される本が読み応えあるものばかりでありがたいとの事でした。
致知2月号(2020年)「心に残る言葉」印象に残った部分
昨年12月に難病指定の病と16年間闘病していた妹を亡くし、残された一人息子(未成年者)の後見人になった関係で、今回の感想は少し重くなるかな、と考えていました。
しかし、致知読者の皆さんならばおわかりでしょう。
「真剣」であっても「深刻」になる必要はないということ、です。
そのような視点を忘れることなく2月号と向き合えましたので、記事中の登場人物が人生の節目節目での決断に至った思考や、実践中の不安とどう向き合ってきたかが非常にためになりました。
では2月号の読後感をまとめていきましょう!
一瞬が永遠・利他 指揮者とデザイナーの「思い通りにならないこと」にチャレンジするこころ p8
指揮者と和紙デザイナーの対談です。この異色のお二人の出会いから、和紙と音楽の融合を実現された。
とても仲のいい雰囲気が感じられました。
そこにはお互いを尊敬し合う気持ちも溢れていましたね。
このお二人の対談から、琴線に触れた言葉を抜き出していくと、

そこで「できません」と言っていたら、次はなかったのかもしれません。
(p19)
こう字を読むだけではなんてことはないように感じますが、異国の地で結果を出さねばならない緊張のなか、あれこれ考えて安全策を取ることなく、挑戦を続けられたその意気に頗る感激を覚えました。
この「できない」と、頭の中だけで考えてやる前に諦めるのは駄目、と堀木さんも応えておられました。(p14)
もちろん、やりたくないことを無理にさせる口実に使うのは問題ですが、本人の情熱が後押しするのなら、どんどんチャレンジして「経験」を積み重ねるのが面白いですね。
堀木さんの発言からは、呉服問屋の社長さんからいわれた言葉に注目。

全部を自分のせいだと考えろと。そうするといろいろなものが見えてくるというのです。(p16)
この考え方は本当に大切だと考えますが、私なんかはまあ、できませんね。善と悪、正不正、などの価値基準をもって批判したり、してしまいますから。
そうなるのは視点が外を向いているからだと考えます。この社長さんの言葉は、「視点を内側に向けることの大切さ」をわかりやすく伝えられたな、と感じました。
嫌なことの周りには素敵なことがいっぱい転がっている p50
草木染め職人・坪倉氏のインタビュー記事です。
交通事故の後遺症が記憶喪失。そこから周囲の方々の協力と本人の努力の結果、草木染め職人として活躍されている。
慎重に事をすすめる坪倉さんにお師匠さんからの次の言葉。

そんなに慎重になって失敗するくらいなら、まずやってみろ。それで失敗したら、それは自分の足りない部分なのだから、そこを改めて次に挑戦するんだ。練習なんかないんだ。常に本番なんだよ。p53
おそらくこの言葉に反応された方は多かったんじゃあないでしょうか?
闇雲に突っ走ることを推奨しているのではなく、緊張感と集中力の使い方と伸ばし方のヒントとしての言葉でしょう。
そのアドバイスのあと、精進を重ねられてこの世のすべて、大宇宙の働きを研究するレベルまで気づきが進んでいく。
この大地の美しさを見つめ直すことに、仕事が役に立てばうれしい、と語られています。
この視点の広大さに言葉を失いました。
言葉を超えた世界に生きる。
嫌なことを気にしている時間がもったいなく感じる。
われわれが見失っているものはなんでしょう?
致知随想 がん患者らの居場所を作る 秋山正子pp78-79
がん患者やその家族、友人たちが看護師や心理療法士に無料で相談できる憩いの場所を提供されている「マギーズ東京」の活動です。
がん治療中でも生きる喜びを再発見する場所としてイギリスで誕生した。
この「相談」できる場、というのは本当に必要なことですので、この活動を知り得たことは嬉しく思いました。
病の状況により悩みや不安は一人ひとり違いますが、「孤独感」との関わり方を相談、不安を吐露できる場所は、患者さんや家族にとって必要です。
がんだけでなく、膠原病・エリテマトーデス、混合性結合組織病などといった難病に対しても、不安や孤独感、治療法がないことに対する絶望感に寄り添う事ができたらと考えます。

限界を知りながら、それを超えられるようにする挑戦する。(p79)
秋山さんのこの言葉に今までの活動で、すんなりいかなかったことに対する態度が伝わってきました。
一人ではできない。しかし、一人が動くことで大きな動きになり、ご縁がつながっていく。
患者さんやご家族にとってなくてはならない存在になった今も、相談員の育成に励まれている姿、とても尊敬できる姿勢だと感じました。
もしご家族が病で苦しんでおられれば、どんどん相談されることをおすすめします。個人ではすぐに限界が来ます。人(プロ)に頼ることも立派な責任ある介護の一つだと考えます。
人生を照らす言葉 p102・禅語に学ぶ p110
ここからは何度も読み返したい言葉です。
幸せは一見当たり前のように思える環境の中にこそ潜んでおり、決して遠くに求める必要はないのです。平凡な中に幸せを見つける感性を磨き、一瞬一瞬を感謝と喜びで歩むことができたら、これ以上の幸せをはないでしょう。
致知 2020年2月号 p103
私がお伝えしたいことのは、神頼みしながらなんの目標も持たずに生きていくことではなく、自分の中には思ってもみない大いなる力が与えられていることを信じて、人生の山坂を超えていくことです。
致知 2020年2月号 p104
不生の仏心とは、「生まれも死にもせず、ただ、あるがままにあるもの、汚れのない清らかなる仏の心」そのものをいう。
致知2020年2月号 p111
致知2月号 「心に残る言葉」感想でした
今号の感想は勇気の出る記事が多かったな、と感じました。特に直感的に勇気づけられる、といったほうがいいでしょうか、ストンと胸に入ってきやすい内容でした。
さて今回のミュージックに何を紹介しようと考えていましたが、映画キャッツを見てきましたのでそこから一曲です。
歌詞ありはこちら。
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